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退職金

私が大学受験準備のためにサラリーマンを辞めたのが8月15日。

つまり、この時期、私はまだ会社員だったんですね。
受験生達が夏期講習でみっちり勉強しているこの時期に、私はまだフルタイムで仕事してたんです。

受験生は、夏期講習の充実度が秋以降の伸びに直結するというのに。

何を考えていたんでしょうねえ。
22歳の私は。

実は、8月までは仕事を辞めたくない事情があったんですね。

退職金。

21万円。

これがどうしても欲しかった。

7月に辞めたらゼロ。
8月なら21万円。

迷うところです。

1か月の勉強の遅れは受験生にとっては致命的。
そのくらいのことは分かっていたつもりです。

でも、迷った。

だって、何も頼るものがなかったんですよ。

こんな受験生は、他にあまり例がないと思います。



最近、貧困を理由に進学を諦める人も多いと聞きます。

私のように、稀有な体験をした人もいるのです。

夏期講習って大切ですよ!
という結論で良いでしょう。

さて、齊藤塾の夏期講習も「最後の詰め」に入りました。

思い出の先生

高校時代のO先生の授業は忘れられない。

質問大歓迎というから、確認のために質問してみた。

「齊藤君なあ。そういうことは辞書にみんな載っているよ。辞書を引いてみな」

これがO先生の答え。

次からは、まずは辞書で調べてみて、載っていないことしか質問できなくなる。

まずは自分で調べる。調べても分からないことを先生に聞く。

そんな習慣が自然と身についた。

たまに、

「それは良い質問だね。多分、他のみんなもそのことには気づいていないだろうから、説明しような」

などと、言ってくれる。最高の褒め言葉。

私が質問したことで、授業が深まり、教室全体で新たな知識の共有ができる。

いい加減な気持ちでは参加できない授業。
でもワクワクする授業。

一生忘れられない授業。





「勤労感謝の日」をエネルギーに

23日は「勤労感謝の日」でしたね。

いつも同じ話で恐縮です。

大学受験時、9月から浪人した私は成績が思うように上がらないまま11月後半を迎えていました。忘れもしない11月23日は模試の日。何故、忘れないのか。実はこの日の模試の結果だけが唯一希望をつなげられる結果だったのです。結果が返却されたのは12月中旬。この1回だけの「希望」を握りしめて、1月からの受験に臨んだのでした。

この時期の受験生は焦りますよね。

思い通りに成績が伸びない、一番苦しい時期です。
この焦る気持ちの中でも「今日も着実な一歩」を心掛けて欲しいのです。焦ったり絶望したりしても布団をかぶって寝たりしない。どんなに気持ちがイライラしても、心をクリアーにして問題集を1問1問解き進める。追い詰められた時にこそ、この「着実な一歩」を進められる強い人になって欲しいのです。このようなチャンスはなかなかありません。苦しい時こそ、小さな一歩を進める。小さいけれども着実に前に進んだ自分を褒めてあげる。そんな受験生であって欲しいと思います。4月にはとても強い高校生になっているはずです。

記事をパクられた

このブログの記事のことではありません。
昔の話。

(私のブログの文章はどんどんパクって頂いて結構です。そんな人、いないか。)

渋川高校1年の時、私は新聞委員会に所属していました。部活ではないのに部室まであるという、ちょっと変わった組織でした。まあ、新聞一つ作るのって部活のようなノリが求められますよね。今でも高崎高校なんて素晴らしい新聞を作っていますよね。あれなら自慢できます。

さて、ちょっとした陰謀で(陰謀の詳細は省きます。長くなるので。)新聞委員となった私は、何と単独行動に出たのです。先輩達は秋に年1回だけ発行される新聞の記事内容やら、割り付けやらに関心があったようです。私はというと、今渋高生が一番興味ありそうなホットの情報を提供できないか。そんなことばかり考えていました。

秋に発行される新聞に、夏の部活の大会の結果などを載せても無意味だ。誰でも知っている賞味期限切れの記事は無駄だと感じて。

その単独行動とは何か。

一人で取材し、一人で記事を書き、一人で印刷し、一人で配布までやってしまう。

全て自分一人でやる。勿論、原紙や印刷機などの備品は学校のものです。

気が向いたら、家に原紙用紙を持ち帰り思うがままに書く。そして、一人で勝手に発行する。

さて、私のこだわったホットな話題とは何だったか。
勿論、野球部の練習試合の模様等も記事にしましたが、一番こだわったのは文化祭関係の記事。
高1時代の私は今以上に真面目だったので、秋の渋高文化祭に向けて新聞委員会として情報提供しようと張り切っていたのです。具体的には、春から五月雨式に実施される各高校の文化祭をできるだけ取材し、翌日には新聞として発行する。時間の許す限りそれをやったのです。

当時の高校の文化祭は大きな問題を抱えていました。

発表を主体にするか、お祭りを主体にするか。

今では大学は勿論、高校の文化祭もお祭り的色彩が強いかと思うのです。
当時はそのあたりを真面目に議論していたのですね。(まあ、一部の生徒だけでしたが。)
議論のたたき台になるような情報提供が何とかできないものかと一人で模索していたのです。
何とも変わった生徒。真面目過ぎるというか。

(なかなかパクリの話に行かなくてすみません。)

そんなことで、春のある日曜日。県西部のT高校へと一人で「取材」に出かけたのです。
ところが、その高校の対応があまりにもひどかった。一般的には、取材と告げると生徒会の担当者が少しだけ時間をつくってくれるのですが、その高校では全くの知らんぷり。発表やイベント、どれをとっても呆れるばかり。見るべきところもあまりなくて、予定より早めにそそくさとその高校を後にしたのでした。吾妻からはかなり遠かったのに・・・・。

その失望感をそのまんま渋高新聞として一人で発行し、全生徒に配ったのです。参考にすべき点ゼロ、というようなタイトルだったかと。
勿論、その高校の文化祭をボロクソにこき下ろす内容。まあ、そんなことが許された時代でしたね。
記事に対するうけはそこそこ良かったと記憶しています。

ところが、

それから10日後ほどの某地方新聞に私の書いたその記事が載ったのです。

「高校文化祭特集」だったかと思うのですが。
私の文章の一部がそのまま掲載されて、高校文化祭の問題点を軽めに扱う内容だったかと記憶しています。
おいおい勝手にパクるなよ。そもそも、渋高内部でしか発行していない新聞が何故外部に漏れたのか。それ自体不思議ですし、プロのジャーナリストが無断で高校生の記事をパクるなんてありえない、と憤りを感じました。

大人ってこういうことをするんだあ。

高校生が内部で発行している新聞に著作権があるのかないのか。
そんなことは知りません。でも、何の連絡もなしに載せるとは。礼儀ってないの。
しかも他校を非難するデリケートな記事。

その特集記事で高校新聞の引用は私の記事だけでした。

あれから長い歳月が経ちました。

さて、高校新聞は変われたか。
渋高は変われたか。T高校も。

そして、大人は。

溶けないインスタントコーヒー

学生時代、家庭教師のアルバイトをしていた。

商業高校志望の真面目な中3男子。

妹と両親、それにお婆ちゃんの5人家族。
私が行く日は、3部屋しかない平屋のアパートの広い方の2部屋が何故か指導部屋にと差し出された。他の4人はキッチンを兼ねた奥の部屋で、静かに指導が終わるのを待っているようだった。ひそひそ声さえも聞こえない。4人がその狭い部屋で2時間もの長い間どのようにして待っていたのか。家庭教師が来る日は特別な日だったのだろう。

ある夏の暑い日のこと。

アイスコーヒーを出してくれた。
インスタントコーヒーの粉がうまく溶けていないアイスコーヒーだった。

当時のインスタントコーヒーには「アイス用」などというものはなかった。
コーヒーの粉に冷たい水を注いで、氷をすぐに入れてしまうと、コーヒーの粉は「だま」となりうまく溶けない。そんな、状態のまま必死にかき混ぜて出してくれたのだろう。

飲み進めても、一向に「だま」は溶けず、舌にまとわりつき、氷にへばりついた。

少量のお湯で粉を十分に溶かしてから、氷を入れて冷やせばアイスコーヒーはうまくつくれる。
普段、アイスコーヒーなどつくらない人が、慣れない手つきでつくったアイスコーヒーだったのだろう。
きっとお婆ちゃんが、急きょつくってくれたものだろう。

若い家庭教師の先生だからコーヒー、暑いからアイスコーヒーだろうということで。

お婆ちゃんの慣れないアイスコーヒーづくり。

私のため、そして、孫のため。

舌にへばりついたコーヒーの粉の苦みが嬉しかった。

気の遠くなるほど昔の真夏。
10月も末の今日、突然思い出したこと。


プロフィール

齊藤塾塾長 齊藤茂

Author:齊藤塾塾長 齊藤茂
渋川高校卒業後、代々木ゼミナール(教務課)に3年半勤務。4年目の9月より浪人生活を送り、翌年4月に群馬大学教育学部に入学。卒業後、藤岡市、前橋市の大手進学塾にて前高、前女、高高、高女進学コース、附属中クラスなどを担当。平成9年に出身地の東吾妻町矢倉にて齊藤塾を開塾。以来トップ校受験生の指導にあたる。

齊藤塾合格実績・・・前高、前女、高高、高女、高専、渋高、渋女、高経附、佐久長聖中、中央中等、樹徳中、埼玉大、新潟大、群馬大、静岡大、高等工科他

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