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思想の書物

『読書術』(エミール・ファゲ著)に次の一節があった。

「思想の書物の読み方は次のようであると私には思われる。
それは、比較と不断の対照との方法である。物質的に言えば人は思想書を読むのに、ページを右から左へ翻すのと同時に左から右へと翻すのである。というのは、読みつづけながら既に読んだところへと立戻るのである。思想の人とは、他の何者にもまして同時に一切を言うことのできぬ、先に進みながら自らを補い納得し、それを全部読んだ時に初めて自分のものとする人である。それだから、自分を補い納得するにつれて、今日読んでいるところを理解するために、昨日読んだところを、昨日読んだところをよりよく理解するために今日読んでいるところを、考慮に入れなければならぬ。」



こういう読書が好きだ。

思想の書物を、一遍読んだだけで完璧に理解してしまう人は稀だ。ある思想家が深い思索の末に、苦しみ抜いて到達したであろう思想を何とかして読者に伝えようと、これまた苦しみ抜いて書いた書物。これには、その深い思索に敬意を払いながら、そしてその思想に触れて、少しでも思想家の域に近づける幸せを感じながら読むのが礼儀というもの。

適当に読んで「ああ分かった」とか、読み飛ばして「なあんだ、これって〇〇と同じことだよね」のような軽い読み方はそもそも著者に対して失礼だし、無意味だ。

分かっていないのに、分かったつもりになったり、分かったふりをすることは、無知を素直に認めることに比べてあまりにも罪深い。勉強も同じ。無知の知。敬意と感謝。

自戒をこめて。

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プロフィール

齊藤塾塾長 齊藤茂

Author:齊藤塾塾長 齊藤茂
渋川高校卒業後、代々木ゼミナール(教務課)に3年半勤務。4年目の9月より浪人生活を送り、翌年4月に群馬大学教育学部に入学。卒業後、藤岡市、前橋市の大手進学塾にて前高、前女、高高、高女進学コース、附属中クラスなどを担当。平成9年に出身地の東吾妻町矢倉にて齊藤塾を開塾。以来トップ校受験生の指導にあたる。

2019年合格実績
前橋高校1名、前橋女子高校1名、高崎高校2名、高崎女子高校2名、群馬高専2名、新潟大歯学部1名、中央中等1名(その他・過年度分は下のホームページからどうぞ)

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