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数学のデコボコと受験生

数学のデコボコの話から大学の話につなげてみよう。

以前紹介した小島先生はおっしゃっている。

「数学は、紆余曲折の末作り上げられてきたし、まだ完成からはほど遠いものだ。今の数学は、宇宙からそのままの形で降ってきたものではなく、数学者たちが歴史の中で悪戦苦闘して作り上げたものだ。その過程で、失敗も間違いもあったし、遠回りもした。だから、現在の数学にはその傷としての「でこぼこ」がまだたくさんあって、それで人は足をとられて転んでしまうのだ。数学につまずいたからといって、それはあなたの落ち度ではない。それは数学に「でこぼこ」があるせいなのだ。けれどもその「でこぼこ」は、数学の人間臭さだから、あなたはひょいひょいとかわして歩く必要ははい。転んだら、立ち上がればいいし、何度も転ぶならそこだけ迂回して進めばいいと思う。」

どうだろう。

小島先生は『大学への数学』(東京出版)で長く執筆し、現在は帝京大学教授の数学者、経済学者なのだが、多くのエッセーも執筆し「文系」的な頭脳の学生にも心強いメッセージを送ってくださっている。数学で「難しく見える」部分がその「でこぼこ」が主な原因だとしたら、私達の苦しみの一部は私達に原因がないかもしれない。

多くの生徒達は数学を完全なものだとう前提で学んでいないだろうか。私達の学んでいる数学は宇宙のどこに持って行っても通用するはずだ、と勝手に思い込んでいないだろうか。でも、どうもそうではないらしいのだ。小島先生は、数学はこの地球に生まれ育った私達と同じ人間が「悪戦苦闘して作り上げた」もので「人間臭さ」あふれるものだと言っている。人類の歴史の中で多くの先人達が「苦しみながら作り上げてきたもの」が今の数学だというのだ。

どうだろう。数学に対する見方が180度変わった人もいるだろう。この事実は数学者達にとっては当たり前のことなのかもしれない。しかし、このようなことを語ってくれる先生は中学、高校にはあまりいない。中学、高校までの先生にとっては、教科書の内容を教え込み生徒を希望の学校へ進学させるという大仕事が優先されるからだ。ある意味しかたのないことなのかもしれない。
 
大学というところは、小島先生のように本質を語ってくれる恩師と出会える場だ。だから、君達には是非大学に行って欲しい。

中学や高校の先生は、君達を上の学校へ進学をさせるという仕事を優先するあまり、教科書は絶対であるというようなスタンスを取りがちだ。だから生徒達は、先生は完全であり先生の教えている学習内容も完成したものだ、と思いこみがちだ。先生達も学習内容も必要以上に高いところに見えてしまう。しかし、大学にゆくと先生達は自分の興味関心に動かされて研究している。不完全で人間臭く、そしていとおしい人達が自分の専門分野で未知のものと戦っている。その姿に触れることで君達の視野は一気に拡大する。

「この分野ではここまでは分かっているのだが、この先が分からないのだよなあ。」などとつぶやいている。

苦しい受験勉強の向こうには、こんなにワクワクする素敵な世界が君達が来るのを待ち望んでいる。



今日はここまで。お読み頂き、感謝。

(齊藤塾では春期講習が始まっています。

新高1生は1学期中間テストまでの範囲を予習しています。入学前に次の戦いが始まっていますからね。

新中2、新中3生は大量の実践問題で5教科の総復習をして、来たるべき実力テストに備えています。

新高2、新高3生は今日も長時間学習してゆきました。下級生達も彼等の姿勢を横目で見ることで大学受験の厳しさを感じ取ってくれたことでしょう。)

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プロフィール

齊藤塾塾長 齊藤茂

Author:齊藤塾塾長 齊藤茂
渋川高校卒業後、代々木ゼミナール(教務課)に3年半勤務。4年目の9月より浪人生活を送り、翌年4月に群馬大学教育学部に入学。卒業後、藤岡市、前橋市の大手進学塾にて前高、前女、高高、高女進学コース、附属中クラスなどを担当。平成9年に出身地の東吾妻町矢倉にて齊藤塾を開塾。以来トップ校受験生の指導にあたる。

齊藤塾合格実績・・・前高、前女、高高、高女、高専、渋高、渋女、高経附、佐久長聖中、中央中等、樹徳中、埼玉大、新潟大、群馬大、静岡大、高等工科他

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