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you の奥深さ

英語の you は不思議な単語だ。

勿論、目の前の相手「あなた」を指す二人称単数としてまずは学ぶ。
ところが、この you だけは複数「あなた達」にも用いる。

それだけでない。

一般的な「人」を指す「総称用法」というものもある。
この用法は日本人が学ぶときには特に混乱する。

何故こんな使い方になったのか、考えてみた。

英語圏の人々でも、目の前の相手をストレートに指すのにはやはり緊張を強いられるのだろう。露骨に「あなた」と呼ぶと、呼ぶ方も呼ばれた方も一瞬緊張する。この緊張からくる一瞬の不快感を避けるために、曖昧な you が使われるようになったのではないだろうか。

you と言われても、言われた本人にもまだ「あなた達」の可能性も「(総称的な)人」の可能性もわずかに残っているという緩みがある。その、ちょっとした曖昧さが緊張感を和らげてくれる。一瞬後から、なんだ you って私一人のことを指していたのね、と遅れて気づいてもお互いが許しあえて、ちょっと楽な間が訪れる。you の曖昧さにはそんな有難い効果があるのではないだろうか。

you だけは単数扱いの時でも be 動詞までが are になっているではないか。you と言っておきながら、目の前のあたた一人だけを指してはいないかもしれないという緩みを残しておく。だから、複数用の be 動詞まで使って目の前のあなたを話題にしている緊張を少し和らげている。何と言っても「複数は気楽」なのだ。説教でも「みんなに言っておくが・・」で始まったら、聞いている方も急に楽になるではないか。

総称的な you の可能性まで作って、目の前の「あなた」との緊張を和らげようとしているという気がしてならない。英語は日本語よりストレートに表現されると皆信じている。おおむねそうだろう。日本語は曖昧で英語はストレート。でも、英語だって生身の人間がコミュニケーションする道具。露骨に言い合えば良いというものではない。特に、目の前の「あなた」には相当気を使っているようだ。当然だろう。人と人との会話なのだから。

そうでなければ、could や would など助動詞の過去形を連発して(一種の仮定法)ぼかす必要なんてない。やはり、英語でも人と人が話すときには十分に気を使っているのだ。

近いうちに、「疑問文は倒置法」という話題も取り上げたいと思う。これも、会話での緊張感と多いに関係する。複数、単数と緊張感との問題にも関係する。

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プロフィール

齊藤塾塾長 齊藤茂

Author:齊藤塾塾長 齊藤茂
渋川高校卒業後、代々木ゼミナール(教務課)に3年半勤務。4年目の9月より浪人生活を送り、翌年4月に群馬大学教育学部に入学。卒業後、藤岡市、前橋市の大手進学塾にて前高、前女、高高、高女進学コース、附属中クラスなどを担当。平成9年に出身地の東吾妻町矢倉にて齊藤塾を開塾。以来トップ校受験生の指導にあたる。

2019年合格実績
前橋高校1名、前橋女子高校1名、高崎高校2名、高崎女子高校2名、群馬高専2名、新潟大歯学部1名、中央中等1名(その他・過年度分は下のホームページからどうぞ)

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