今日のその勉強は何のため?


「今、つまらなく苦しい勉強をするのは、将来ラクが出来る仕事に就くためだ」

これは間違いです。

勉強は、将来ラクができる職業に就くためにやっているのではありません。将来自分や家族がラクな生活が出来るために、今苦しい勉強を我慢してやっているのではないのです。そもそも勉強は自分のためにやるべきものではないのです。

君が今勉強しているのは、将来社会に貢献するためです。君が好むと好まざるとに関わらず、人間という動物は社会を構成して支え合って生きるように出来ているのです。人間は一人一人が役割をもって社会というものを構成することではじめて全体として生きることができる。そういう動物です。単独で生きる、という選択肢はもともと存在しないのです。君は意識したことがないかもしれませんが、社会の構成員以外の選択をして生き延びられる人間はいません。

だから、君に役割ができて社会から必要とされる人間になり、そして社会から認めてもらえる人になってはじめて君も生きられるのです。社会の役に立つ人になることではじめて君自身も生きることが可能となるのです。だから、君が今勉強しているのは社会の役に立つ人になるためです。「自分や自分の家族のため」などという個人的なもののためではありません。現代は個人主義の時代かもしれません。一見、独りで生きる道もあるような錯覚に陥る人もいるでしょう。でも、人という動物には独りで生きる道はありません。社会貢献することで初めて生きる場が与えられるのです。どんな形で社会貢献するかは人それぞれです。ここで言う社会貢献とは「仕事に就く」という狭い意味ではありません。
将来「君しかいない」と言われたとの時に、決してたじろぐことなく社会貢献する、その時のために今日のその勉強があるのです。

今日のその勉強、その取り組み方で君は将来社会貢献できますか?

次に、

「勉強するしないはオレの勝手だ、だってオレの人生なんだから。」

これも間違いです。君達が今勉強し、将来納税者となって日本の社会生活を支える人になるのは国民の「義務」です。勤労の義務と納税の義務は日本国憲法に挙げられている三つしかない義務のうちの二つです。「義務」である以上「オレの勝手だ」という選択肢はあり得ません。将来「勤労」し、「納税」できる人になること以外の選択肢はないのです。そもそも君がこの国に生まれ、今まで生きて来られたのもこの社会のおかげです。この社会を支えてくれている大人達のおかげで、君は今まで生きてこられたのです。君に別の社会に生まれる選択肢がなかったのと同じように、この社会の大人達にとっても君を支えないという選択肢もなかった。社会はそうやって、逃げられない部分を受け入れている真っ当な人達が支え合って作り上げているのです。
働くことは国民の義務です。従って、働いて社会を支える人になるために今勉強することも義務です。義務ですから放棄するという選択肢もありません。
義務の遂行ができる大人になることは清々しいことですよ。

「君子、多能恥づ」(『論語』より)

全くその通りです。

どんなに天賦の才能の少ない人でも、今持っているその才能を最大限に伸ばすには一生かかっても時間が足りないのかもしれない。大人(特に教育者)は「何でも出来る子」を評価したがりますが、「多能」な人でも今持っている能力を全て花開かせるには人生が100回あっても足りないでしょう。君にも「自分はこれで社会貢献するのだ」と「一つの事」に絞り込み、他の全てを「捨て去る勇気」が求められる時がいずれ来るのです。その決断の時の「腹のすわった」姿に私はしびれます。君が天から授かった「その一つの事」を探すために今日の勉強があるのです

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無意識に親に頼っているのではないのかと思います

楽が出来て、衣食住を全て自分でまかなえる仕事なんて、今の世の中ないと思います。
こっちは親が土地持ちの人が多いから、そんな甘い考えを抱く子供がいるんでしょうけど。少なくとも『住』は確保できると。
親世代も借りぐらしが多数派の都内では、考えられない甘さだと思います。

Re: 無意識に親に頼っているのではないのかと思います

> 楽が出来て、衣食住を全て自分でまかなえる仕事なんて、今の世の中ないと思います。
> こっちは親が土地持ちの人が多いから、そんな甘い考えを抱く子供がいるんでしょうけど。少なくとも『住』は確保できると。
> 親世代も借りぐらしが多数派の都内では、考えられない甘さだと思います。



みー様

コメント有難うございます。
おっしゃる通り、「住」が確保されている人は甘い考えになるでしょうね。
追い詰められ感が弱いというか。
住むところの確保は、生活するうえでの最低限の土台ですものね。
プロフィール

齊藤塾塾長 齊藤茂

Author:齊藤塾塾長 齊藤茂
渋川高校卒業後、代々木ゼミナール(教務課)に3年半勤務。4年目の9月より浪人生活を送り、翌年4月に群馬大学教育学部に入学。卒業後、藤岡市、前橋市の大手進学塾にて前高、前女、高高、高女進学コース、附属中クラスなどを担当。平成9年に出身地の東吾妻町矢倉にて齊藤塾を開塾。以来トップ校受験生の指導にあたる。

齊藤塾合格実績・・・前高、前女、高高、高女、高専、渋高、渋女、高経附、佐久長聖中、中央中等、樹徳中、埼玉大、新潟大、群馬大、静岡大、高等工科他

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