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「名文」は危険

気持ちよく書けた作文。
得意満面で筆が動いた文章。

これらは、とても危険だ。

文字の形で表現された文章は、「読んで頂く」というスタンスが基本だ。
独りよがりの文章。
そんなもの、読まされる方はたまったものではない。

中央中等入試の適正検査問題で書くべき文章の話。
「試験官の先生は一度しか読んでくれない」というつもりで答案を書くべきだ。
何度も何度も読み返してはくれない、ということ。

試験官の先生は、大量の答案を短時間で採点せねばならない。
だから、意味不明の答案は最初からはじかれる。つまり、最初から土俵にすら上げてもらえない。そして、独りよがりの答案は得てして「意味不明」答案に分類されることが多い。

それはそうだろう。一方的視点でしかものを見ていないから「独りよがり」答案が書ける、というもの。一方的だから、書いていて気持ちよい。これが危険だというのだ。客観的視点が抜け落ちている文章。これが一対一の会話なら、相手の質問に答える中で徐々に自分の考えの輪郭を伝えることも可能だ。しかし、答案の形になっている文章では、これができないのだ。だから、絶対に誤解されない文章にせねばならない。一度頭を冷やして客観的視点から自分の文章を眺めてみること。場合によっては批判的視点からも。しかも、限られた時間で。言うまでもなく、オシャレな脚色は少ない方が良い。無駄に文字数を使うし、論点もボケる。

良い答案は、見た瞬間に輝いている。

試験官の先生が、見た瞬間に「おお!」と声を上げるくらいに目立つ。
第一印象で「この子の答案は他と違う」と思えるほどに輝いている。

どこがどう輝いているのか。

それは、次の一点で他の答案と違っているだけなのだが。

「自分の頭を使って悩んだ形跡がある」

この一点。

つまり、大人が期待するような答案をイメージして「それに合わせて」書いた文章ではない、ということ。
「自分の頭で考えた文章なんて、誰にだって書けるのではないか」

いや、書けない!

小6の児童が、ある課題について自分の頭を使って、ああでもないこうでもない、と思いをめぐらす。そして読み手に伝わるように、その思考過程及び何等かの結論を誤解なく伝えられるよう言葉を選んで文章化する。こんなこと、大半の小6生には無理だ!
そんなトレーニングはやったことがないのだから。
小6生は大人への入口に立ってはいるが、大半の人はまだまだ発想が子供のままだ。だから、何の指導もせずに自由に過去問を解かせると、ほぼ同一の文章を書いてくる。

大人の期待を先回りした「おりこうさん」の作文だ。

実は、この「おりこうさん」作文は子供にとっては一番ラクな「逃げ道」なのだが、本人達はそれに気づけない。完全な逃げなのに、本人は「そこそこ良い文章が書けた」と大いなる誤解に浸ったまま試験会場を後にすることになる。

苦しんで書いた文章でなければ、輝いていない。
自分の頭を使って悩んで書いた文章だけが、他の答案より頭一つ出る。


それを教えることがスタートラインなのだが。




また、書きますね。
プロフィール

齊藤塾塾長 齊藤茂

Author:齊藤塾塾長 齊藤茂
渋川高校卒業後、代々木ゼミナール(教務課)に3年半勤務。4年目の9月より浪人生活を送り、翌年4月に群馬大学教育学部に入学。卒業後、藤岡市、前橋市の大手進学塾にて前高、前女、高高、高女進学コース、附属中クラスなどを担当。平成9年に出身地の東吾妻町矢倉にて齊藤塾を開塾。以来トップ校受験生の指導にあたる。

2019年合格実績
前橋高校1名、前橋女子高校1名、高崎高校2名、高崎女子高校2名、群馬高専2名、新潟大歯学部1名、中央中等1名(その他・過年度分は下のホームページからどうぞ)

* お問い合わせは下記問い合わせバナーからどうぞ。
* 齊藤塾ホームページへは下のリンクからどうぞ。

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