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2タイプの先生がいた。

高校時代、二人の体育の先生に教わった。

タイプは全く異なる。

一人は熱血タイプ。

技術的なことよりは、気持ちを重視する先生。
運動能力が多少低くても、やる気を全面に出せば、通知表で5をくれた。
一方、やる気を見せない生徒の評価は格段に低かった。
だらだらしていて怒鳴られた生徒が何人もいた。

もう一人は知性派タイプ。

きちんと技術的な指導をして、十分な練習時間を確保する。
そして、予定の指導時間を経た後には必ず到達テストをした。
評価で5をもらうために求められる到達度も明示された。

「熱血先生」から5をもらうのは簡単だった。
やる気さえ示して、「真面目に努力するだけ」で十分だったのだから。
キビキビと行動して、全てに全力で取り組む。
「それだけ」でよかった。

一方、

「知性派先生」から5をもらうのは困難を極めた。
だって、「到達目標が明示されている」のだから。
数字に表れない「やる気」など、最初から評価外だった。

鉄棒に「大振り」という技がある。
高い鉄棒にぶら下がって、体を前後に振ることなくよじ登るというもの。
足や腰を揺さぶってはいけない。一瞬の反動だけで上がるという技。
(いつも思うが、これを言葉で説明するのは難しい。)
「知性派先生」はこれができないと5をくれないと言った。
この先生がそう言えば、出来なければ絶対に5はくれない。
「オマケ」とか「やる気の部分点」などは全くないのだ。
生徒達は皆それを良く知っていた。

私はどうしても5が欲しかった。プライドというか拘りというか。
私は、授業の指導時間内には結局一度も大振りは成功しなかった。
つまり、ぶっつけ本番でテストになってしまう。
一度も成功したことのない技が、テストの時だけ成功することはまずあり得ない。

追い詰められた私は、帰宅後近所の小学校の鉄棒で密かに練習した。
といっても、一日か二日程度だったかと思う。
そして、何とかコツらしきものを掴むところまでになった、と自覚した。
惜しいトライアルを何回か繰り返した後、一度だけ成功したのだ。
「よし、分かったぞ」と確信めいたものを携えて、「本番」に臨んだ。

テスト「本番」ではぎりぎり成功した。
最後は腕の力で無理やりよじ登った感はあったが、明らかな成功だった。
上がりさえすれば成功とする、と「知性派先生」は評価基準をあらかじめ示していたからだ。

通知表では予定通り5をもらった。

思い返してみると、「大振り」を成功させたのは人生で二回だけだった。
小学校での練習で勝手に確信したあの一回と、「本番」でのぎりぎりよじ登りの一回。

その後は試してもいない。

体育の授業とはいえ、ちょっとだけ「本気」になったという思い出。

「熱血先生」の思い出はない。

「本気」とか「やる気」って何だ。

プロフィール

齊藤塾塾長 齊藤茂

Author:齊藤塾塾長 齊藤茂
渋川高校卒業後、代々木ゼミナール(教務課)に3年半勤務。4年目の9月より浪人生活を送り、翌年4月に群馬大学教育学部に入学。卒業後、藤岡市、前橋市の大手進学塾にて前高、前女、高高、高女進学コース、附属中クラスなどを担当。平成9年に出身地の東吾妻町矢倉にて齊藤塾を開塾。以来トップ校受験生の指導にあたる。

2019年合格実績
前橋高校1名、前橋女子高校1名、高崎高校2名、高崎女子高校2名、群馬高専2名、新潟大歯学部1名、中央中等1名(その他・過年度分は下のホームページからどうぞ)

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