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学べない人間



『「学び」の構造』(佐伯胖著)の冒頭部分で、著者は学べない人間を三つのタイプに分類している。

A. 無気力型
B. ガリ勉型
C. ハウ・ツウ型

の三つだ。この三つのタイプの人間は学ぶということをあまりにも表面的にとらえているために、学べないのだという。
この話題についてはこのブログでも追い追い触れて行こうと思っている。

これはだいぶ昔に書かれた本だが、指摘されている問題の深刻さは現在の方がむしろ深まっているような気さえする。
仮に「先生、理屈は良いから早く娘の成績を上げてくださいよう」などと言う大人がいたとする。「学び」をあまりにも軽くとらえている証拠だ。勿論、学校の先生も塾の講師もプロとして子供の学習成果を上げるのが仕事だ。結果が出ていないのならば、反省点は当然あるだろう。それを棚に上げてはいけない。当たりまえだ。

しかし、「学び」は「〇〇すれば、必ず〇〇する」というようなシンプルなものではない。なかなか結果が出ない子が、コツコツと努力を積み重ね、学んだことが有機的に結合した瞬間に臨界点に達して爆発的に結果となって表れる、などと言う現象を何度も見ている。学ぶということの難しさ、不思議さ、面白さを体感したことのある人だったら分かるはずだ。

あまりにもシンプルな学習論を展開する人がいたら、それは警戒すべきだ。「ついにたどり着いた究極の学習法」みたいなやつ。「学び」とはそんなに簡単なことではないから、様々な学習論者がいるのだ。日本に学習心理の専門家って何人いるのだろう。評論家という人まで含めたら、呆れるほどの数だろう。教育学者が100人いれば、100通りの説が展開されるという。

まあ、ダイエットの方がよほど簡単だ。食べなければよいのだから。(比較する対象を間違えていますね。笑))

最近、独学関係の書物が売れているようだ。独学には「学び」の本質がある。私が自立型学習塾を開いているのも、ことあるごとに日本語力を強調しているのも、子供達に自ら学ぶ力をつけて欲しいからだ。いざとなったら、独学できる力。

もやもやしたものが晴れて、視界が開けた瞬間の感動は何事にも代えがたい。「学び」にはそういった感動がある。その感動は「〇〇したら必ず〇〇する」というようなものの先にはない。当たり前だ。すぐには結果が出ないことにコツコツ取り組む。一見無味乾燥な計算練習や英単語の暗記などを積み重ねて、その土台の上に積み上げられたピラミッドの上に立ってこそ初めて見える景色があるのだ。土台を作っている時に、早く素晴らしい景色を見せろといわれても困る。「はい、すぐにお見せします」などと言う教育者がいたら、それはニセモノだ。教えるプロとして、私も結果を求められている。だからこそ、ピラミッドの頂上から見える本物の景色しか目標にしていない。
プロフィール

齊藤塾塾長 齊藤茂

Author:齊藤塾塾長 齊藤茂
渋川高校卒業後、代々木ゼミナール(教務課)に3年半勤務。4年目の9月より浪人生活を送り、翌年4月に群馬大学教育学部に入学。卒業後、藤岡市、前橋市の大手進学塾にて前高、前女、高高、高女進学コース、附属中クラスなどを担当。平成9年に出身地の東吾妻町矢倉にて齊藤塾を開塾。以来トップ校受験生の指導にあたる。

2019年合格実績
前橋高校1名、前橋女子高校1名、高崎高校2名、高崎女子高校2名、群馬高専2名、新潟大歯学部1名、中央中等1名(その他・過年度分は下のホームページからどうぞ)

* お問い合わせは下記問い合わせバナーからどうぞ。
* 齊藤塾ホームページへは下のリンクからどうぞ。

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