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解き方を教えるのか、勉強の仕方を教えるのか

上手な解き方を教えてやれば、生徒はできるようになるだろうか。ならない。

一斉授業をしていた頃、私は上手な解き方や解りやすい説明方法を追い求めていた。指導力で学校の先生に負けていたのでは塾講師は生きて行けない。だから、塾に来なければ聞けない話をしようと毎日考えていた。お金を払ってわざわざ夜に通塾して来なければ受けられない指導をしようと自分を追い詰めていた。

ところがある時、それは間違いだと気づいた。

上手な解き方を教えてやっても、それだけでは生徒ができるようにはならないことが分かった。もっと正確に言うと、上手な解き方を教えてやっても、生徒ができるようになるとは限らない「時代」になったことに気づいた。なぜ、できるようになるとは限らないのか。簡単に言うと、生徒の方が特にそれを欲していないということ。つまり、上手な解き方を特に求めていない、ということ。何故求めていないのか分かったのか。まあ、それは生徒の表情、うなずき具合、手の動きなどから「感じとった」としか言いようがないのだが。

生徒はお金を払って通塾しているのに、上手な解き方を聞いて帰ろうとは思っていないような気がしてきたのだ。何故だ。塾には上手な解き方を教えてもらいに来ているのではないのか。

勿論、生徒によって通塾動機は様々だろう。だが、どうも以前と動機が変わってきたような気がしてきた。私が感じたことを一言でいえば、上手な解き方の有難みが薄れた、とでも言おうか。上手な解き方そのものがありふれてきたのか、生徒がその有難みが分かるレベルにまで到達していないのか。そのあたりはよく分からないのだが。

そこで、指導の中身で生徒をうならせるのではない別の方法を模索し始めた。

「勉強の仕方」を教える塾。

勉強の仕方を教えてやれば、生徒は自分で勉強できる。いちいち私が細かいところまで気を使って指導しなくても、生徒は私から教わって学習方法で勉強することで自ら学ぶようになるだろう。方法を私が教え、実行するのは生徒達自身。まさに自立型指導の幕開けだ。

ところが、どうもこれもしっくり行かなかった。勉強の仕方について生徒はなるほどと聞いてはいたが、そっくり真似する生徒も多くはなかった。よく、名物塾長のいる塾の生徒は問題のノートの取り方、ワークの使い方、問題の取り組みが皆同じだったりするが、生徒も私自身もそういうやり方にすぐに違和感を感じてしまったようだ。

勉強の仕方を教える塾でもダメか。

では、いったい塾では何を教えたら良いのか。

そこで私がたどりついたのが今の方法。
勿論、到達点ではないかもしれない。来年は今年のやり方を更に発展させるつもりだが。

今の方法とは。

「結果だけにこだわる塾」。それだけ。

テストで点数を取らせる。偏差値を上げる。通知表の成績を上げる。志望校に合格させる。
そのためには何でもやる。それ以外の細かいことは気にしない。

生徒が努力型なら比較的教える部分を増やし、反復で自信をつけさせる。生徒が天才肌なら余計なことは言わない。結果が出ている限り「気持ちよく」自分のやり方でやらせる。生徒の個性に合わせて私自身の経験と勘に頼ってその都度指導方法を判断する。

齊藤塾の自立型システムと呼んでいるが、まあシステム化できないシステムとでも言おうか。だから、このやり方は私が最初で最後。私が感じたままの自然な流れを指導に反映させているから。私の理想は職人的指導。だからこれで良いと思っている。

職人さんの勘はどこから来るのか。それは気の遠くなるような経験、試行錯誤の積み重ねから得られた自信から見えてくるもの。理屈を超えたところにある真実。言葉でなんか説明できるところにはない「自然に体が動いてしまう」ような感覚だ。

サッカーで「泥臭いゴール」という表現がある。私は大好きだ。体のどこに当てて入れたか分からないようなゴール。勢いだけでねじ込んだゴール。気持ちで押し込んだゴール。そう、結果にこだわる塾は「泥臭く」気持ちで合格を勝ち取りたい。

さて、今日のテーマ。解き方を教えてもしっくり行かないし、勉強の仕方を教えても今一つ何か違う感じが残る。それは結局何故なのかという問題。その理由は。そう、泥臭いゴールならぬ「泥臭い合格」でよいから結果が欲しいという追い詰められた感覚の有無。どうやっても良いから結果だけはどうしても欲しいという人の「怖い目つき」。

それがあれば、「上手な解き方」にも「勉強の仕方」にも飢えた野生動物のように食らいついてくるに違いない。「豊かな時代にそれを求めるのは難しいでしょう」という人に聞きたい。今現在、本当に豊かですか。中学生が大人になる5年後、本当に豊かですか。







プロフィール

齊藤塾塾長 齊藤茂

Author:齊藤塾塾長 齊藤茂
渋川高校卒業後、代々木ゼミナール(教務課)に3年半勤務。4年目の9月より浪人生活を送り、翌年4月に群馬大学教育学部に入学。卒業後、藤岡市、前橋市の大手進学塾にて前高、前女、高高、高女進学コース、附属中クラスなどを担当。平成9年に出身地の東吾妻町矢倉にて齊藤塾を開塾。以来トップ校受験生の指導にあたる。

齊藤塾合格実績・・・前高、前女、高高、高女、高専、渋高、渋女、高経附、佐久長聖中、中央中等、樹徳中、埼玉大、新潟大、群馬大、静岡大、高等工科他

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