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私が出会えない君へ

今日はこどもの日ですね。

こどもの日に子供の貧困についての話です。

私には語る資格があると思いますので。

私は一人で学習塾を経営しています。経営ということは、子供達に学習指導し、保護者の皆さんから月謝を頂いてそれで生活しています。一定の月謝を支払って下さる方だけをお客さんにしていることになります。経済的理由で通塾を見送っている人とは出会う機会がありません。当たり前ですが。

今日は、今までもそして今後も私と出会うことがないであろう君へのメッセージです。
経済的理由から、学習塾はおろか高校や大学への進学さえも諦めなければならないかもしれない君へ、貧困大先輩の私からのメッセージです。少しでも参考にして頂きたいと思って。

経済的理由で勉強を断念することくらい悔しいものはありません。おそらく君は、学生生活をしながら家の仕事を手伝ったり、時にはアルバイトで家計を助けたりしているのでしょう。そして、1年後あるいは2年後に迫った次の進学についても迷っていることでしょう。早く社会に出て、親を経済的に助けてやりたい、あるいは弟や妹の進学費用を捻出してやりたいなとど考えながら、日々つらい思いで過ごしていることでしょう。

一人一人事情が異なります。細かいことを何も知らない私が一方的に勝手なことを言っても、それが励ましになるどころかかえって落ち込ませることになるかもしれません。デリケートな問題であることは分かっているつもりです。

それでも、君に是非伝えたいこと。

それは、何とか何とか粘って学校を出て欲しい、ということ。つまり、進学して欲しいということです。そして、それは社会に出てから次のチャンスを狙うということではなくて、苦しいかもしれないけれど若い今のうちに勉強をしておいて欲しいということです。勿論、様々な理由で少し進学が遅れることがあるのは仕方ありません。でも、はやり早いに越したことはありません。

早く社会に出て、少しでも家計を助けたいという気持ちは尊いのですが、そこを我慢して欲しい。あと数年粘って欲しい。これが私からのお願いです。

何故こんなことを言うのか。それは私の見る限り、日本の社会は何度もやり直しがきく社会ではないからです。だいぶ遠回りしたが、他の人にはできない経験を沢山して人間の幅が広がったのだからよしとしよう、などとは言ってられない社会だと思うのです。私は平均的な大人と言うことが違うかもしれません。
君よりもずっと前に貧困を経験し、実際に遠回りしてみた私が言うのですから少し耳を傾けて欲しいのです。若いうちにいろいろやってみること、それ自体を否定なんてしません。勿論良いことに決まっています。自分から求めていろいろ挑戦することはどんどんやって欲しい。そうではなくて、進学の夢を諦めてやむなく社会に出るというような選択は、できるだけ避けて欲しいということ。どうにもならない場合でも、ちょっと先の伸ばしして近い将来きっと進学して欲しいということ。

皆が進学するときに、就職するとなると寂しい思いをするかもしれません。進学は楽しそうですし、同年代の人達と楽しい学生生活を送る、社会に出ることを先延ばしにしてエンジョイできるようにも見えます。でも、学生は勉強が仕事です。勉強自体は楽ではありません。

一旦社会に出てしまうと、学生モードに戻るのは簡単ではありません。社会人としての大人の付き合いがあります。周りの大半は学生に戻るつもりのない社会人ですから、君を駆け出し社会人とみなして鍛えてくれたりします。仕事でもプライベートでも。仕事は日々戦いです。特に慣れない仕事、自分に向いてないかもしれない仕事の場合にはつらさは倍増します。そんな生活をしているうちに2~3年くらいあっという間に過ぎます。脅かすようで悪いのですが、お酒を覚えたりして、社会人らしい生活に移行して行くと急速に学習能力は落ちると思います。戻ってこられなくなる危険性があるのです。

そう、「このままでいいかな」という気持ちとの戦いでもあるのですよ。そこそこ仕事がうまくゆき始めると職場の人も優しくしてくれるし、ご両親だってこのままで良いのではないか、せっかく始めた仕事だし、慣れてきたのだしなどと言いだします。それを振り切って学生生活に戻れるのか。学校というものには普通、入学試験があるのですが、平日は残業の毎日で休日は半日寝ているような生活を始めると、勉強をいつからやるのかというきっかけすらつかめなくなってきます。そして、また「このままでもよいかな」とか「今年1年はとりあえずこのままで行こう」などと考えるようになります。

仕事を続けるうちに当然責任あるポストに就くこともあります。また、自らの結婚の問題、ご両親が年を取ってくるという問題まで気になり出します。時間がたつにつれて学生に戻るチャンスからは遠さかってゆきます。勉強を諦めるのが最善の選択のように見えてきてしまいます。

日本では社会に出てから学生に戻るのは難しいのです。(公務員の方の大学院進学や留学は除きますよ。)

「鉄は熱いうちに打て」は本当です。私が21歳の頃はこの言葉が頭の中を常に巡っていました。19歳の脳みそと25歳の脳みそは全く異なります。

勝手なメッセージでごめんなさい。だいぶ脅かしてしまいました。君自身今現在も頑張っているのは良く分かっているつもりなのですが。君が今おかれている状況を知らずに一方的に語って不愉快な気持ちにさせてしまったかもしれません。でも、なんとか粘って欲しい。同級生と同じものが持てなくて寂しいかもしれません。華やかな生活の同級生と顔を合わせるのさえつらいかもしれません。食費にさえ事欠く生活をしてまでやるべき勉強って何だ、と思うかもしれません。学生たちのやっていることが陳腐で社会人のやっていることの方が重みがあると見えるかもしれまえせんが。

でも、学校は若いうちに出ておいて欲しいと思います。ここは日本ですから。

プロフィール

齊藤塾塾長 齊藤茂

Author:齊藤塾塾長 齊藤茂
渋川高校卒業後、代々木ゼミナール(教務課)に3年半勤務。4年目の9月より浪人生活を送り、翌年4月に群馬大学教育学部に入学。卒業後、藤岡市、前橋市の大手進学塾にて前高、前女、高高、高女進学コース、附属中クラスなどを担当。平成9年に出身地の東吾妻町矢倉にて齊藤塾を開塾。以来トップ校受験生の指導にあたる。

2019年合格実績
前橋高校1名、前橋女子高校1名、高崎高校2名、高崎女子高校2名、群馬高専2名、新潟大歯学部1名、中央中等1名(その他・過年度分は下のホームページからどうぞ)

* お問い合わせは下記問い合わせバナーからどうぞ。
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